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2022.06.10

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日本国際賞(研究助成)の研究成果の論文が公開されました。信州大学 准教授 上原三知 先生 

日本国際賞(研究助成)の研究成果の論文が公開されました。信州大学 准教授 上原三知 先生 

この度、信州大学社会基盤研究所(学術研究院農学系併任)准教授及び地域防災減災センター連携教員の上原三知先生が、日本国際賞(研究助成)の研究成果について論文が公開されました。

❑タイトル
Narrative-Based Disaster Learning Programmes Simultaneously Improve People’s Disaster Awareness Scores, Willingness to Pay and Settlement Preferences

英文のタイトルとアブストラクトの日本語訳と論文(英文)のURLは以下になります。
“https://www.mdpi.com/1653564”

❑物語(ナラティブ)としての災害学習プログラムは、人々の防災意識、災害情報に対する支払い意思、災害後の居住地選好を同時に向上させる

❑概要
介入研究の実施が難しいために異なる災害情報提供プログラムの効果を検証する研究は少ない。本介入研究では、2種類のオンライン災害学習プログラムを提供した介入研究により、(1)防災意識得点、(2)災害情報に対する支払い意思(WTP)、(3)定住志向(災害後の復興目標に対する好み)という3つの観点での変化を測定した。参加者は、2種類の45分間の学習プログラム:1つは物語形式の災害学習プログラム(N=218)、もう1つは集合情報型の災害学習プログラム(N=201)のどちらかに参加した。その結果、防災スコアとWTPの両方が、両方の様式の防災学習プログラム体験後に統計的に有意に増加した。さらに、ナラティブ型プログラムによる両指標の改善がより大きかった(WTP値で2.2倍、WTP値-確率上昇で1.72倍)。プログラム前の回答で、災害後の復興目標に安全と自然保護の両立を選択した人は、防災意識得点が向上した。両プログラムは東日本大震災をテーマとしており、体験時間も同じであったにもかかわらず、ナラティブ型プログラムだけが3つの視点すべてで体験後の改善するオッズ比が有意に高かった。このように、ナラティブとしての災害学習(追体験)は、人々の災害意識スコア、災害情報に対する支払い意思、防災に対する定住志向を同時に改善する可能性がある

❑キーワード: 2011 東日本大震災;効果的な災害代替体験;断片的な情報;大災害恐怖症;防災;忘れられない教訓;介入研究;ネイチャーベース・ソリューション;災害対策への選好性